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2013年5月28日火曜日

吉里吉里の旅

岩井と樋口で岩手県大槌町の吉里吉里地区へ行ってきました!


そもそもは、NPO法人共存の森ネットワークが震災直後からスタートさせた聞き書きプロジェクトにあわせて現地入りしたのが最初。2011年の7月のことでした。
あれから2年、今回は放牧の2人だけで現地入りです。

赤浜地区

釜石でレンタカーを借り、大槌の中心からまずは赤浜地区へ。
2年前に来たときはまだガレキだらけで、警察が行方不明者の捜索をしていて…という光景でしたが、今回は旬のウニ漁の小舟がたくさん並んでいました。
小舟の奥、湾の真ん中にちっちゃく映っているのが蓬莱島。NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』のモデルとも言われる島で、ひょうたんを横にしたみたいな形をしています。震災の前は堤防で繋がっていて、車でいけたとか。人工の堤防は津波でさらわれて、島は綺麗に残っていて…と、土地の方も感慨深げでした。

赤浜地区を集落側から。

赤浜を見たあとは吉里吉里へ。
津波でさらわれた家の、残された家の基礎部分を取り壊す工事が進んでいました。
その上には鯉のぼり。震災後、全国から贈られてきたものとか。旧暦の端午の節句まで泳いでいるそうです。

 
吉里吉里の鯉のぼり(左)集落から船越湾。白い雲がもくもくと。海から冷気を運んでくる雲(右)

吉里吉里でお約束をしていた方と、一年ぶりの再会。お話を聞いたあと、早速地区内を見て回る……の、はずが、出だしはなんと、今が旬のウニ丼!!!
お、美味しい……!!!

ぴかぴか。浪板の『さんずろ』にて。
2人とも、「一生分のウニを食べた気がする……」と半ば呆然。つみれのお味噌汁も染み渡る美味しさで、やっぱり海の世界だなーとしみじみ思ったら、「秋は松茸が美味しいぞ!」と土地の方。海と山は繋がってた。

岬の突端にあるのが野島。
案内してもらった場所のひとつが、野島。遠くから見るだけでしたが、なんとこの島には神様のお社があるんだとか。年に一度、ワカメの収穫期が終わった頃にお祭りがあるそうで、小舟をつけて島にあがり、ロープに掴まって崖をあがって…と、聞くだけで大変そうな感じ。
「ワカメ漁が終わって『お疲れさん』というか、神様に感謝してという、そういう感じだね」と土地の方。実は赤浜の蓬莱島にもお社があって、年に一度お祭りがあるんだそうです。震災の津波で堤防が壊れ、以来島にあがれなくなったので、「お社がどうなっているのか、気になっているんだが…」。
見ると、ちょっとした岩の上にも小さな社があったり、「そこらじゅう神様だらけよ(笑)」とのこと。


それから鯨山神社へ。

鯨山神社にある不動滝。
滝壺に崩れ落ちた岩。

ここは現在、震災で崩れた岩が滝壺に流入していたりと、復旧中。今回は特別に入れていただきました。鯨山という名前の由来はいろいろあるそうですが、鯨と人との長い付き合いを感じさせる名前。
狛犬のしっぽにはアワビの貝殻がかけてあって、ここでも、海と山が繋がっている感じ。
そういえば鯨山神社への山道のさなか、カモシカに出会いました。カモシカは慌てるでもなく、じーっとこちらを観察したあと、悠然と山の奥へ消えていきました。

吉里吉里漁港から鯨山。
漁港湾内は海底のガレキを撤去中。
流されたテトラポットが、沖合でひとまとめに。




震災から2年が経ち、町の復興計画もまとまって、吉里吉里の集落には朝から一日中、家の土台の撤去の音が響いています。案内してくださった土地の方は、「土台があった頃はまだ『ここに家があったんだ』と思っていたけれど、土台もなくなってしまうと、家があったのかどうかも段々とわからなくなってくる」とおっしゃいました。

吉里吉里の集落を臨む。
手前の茶色い伐採地は、新しく保育所を作る場所とのこと。

















一日だけのバタバタな訪問の最後は、赤浜に最近できたイタリアンのお店『BARLITO』で早めの夕食。テレビで紹介されていたのを見て、行ってみたかったお店でした。私たちが食事の間も、お一人でふらりと気軽に入ってこられるお客さんが何人もいました。
ちなみにこのお店のデッキからは、蓬莱島が見えるのです。

私がいただいたパスタ!
一部食べちゃった後。





















夜は釜石へ戻り、レンタカーを返して東京行きの夜行バスに。
次は夏のお祭りを見に来たいなあと、吉里吉里再訪を思い描いた旅でした。

2013年5月23日木曜日

バラの季節

   2、3ヶ月前に水彩色鉛筆で描いた、黄色のバラ。お教室で生徒に好きな色を選ばせて描いたのだけど、黄色は難しいと言われ、この色だけ残ってしまいました。家に持ち帰り、花瓶にさして2週間が過ぎた頃、少し枯れ始めたバラは、最後の力をふり絞って、描いてくれと訴えているように見えたので…それで慌てて描いたのがこの一枚。この絵は、まだ寒い時期に描きましたが、ちょうど今は街角でも、春咲きのバラがたくさん見られます。
 上の写真は、都内にある旧古河庭園。こちらも今が見頃です。バラのいい香りがして、癒されます。この時期は、夜、ライトアップしているそうです。5月は、散歩やスケッチのいい季節♪日差しがだんだん強くなってきましたので、紫外線対策やしっかり水分補給をして、外に出かけてみてはいかがでしょうか。

2013年5月20日月曜日

はじめての茶摘み


天龍村に茶摘みに行ってきました。

摘めたのは午後の数時間、地元のじいちゃんばあちゃんに教わってはじめての茶摘み体験でした。連れて行っていただいた天龍農林業公社の方も「手摘みはやったこと無い、初めてだよ」と言いながら一緒に作業してくれました。


お茶の葉。
明るめの色の葉が今年の新芽。
分かります?
腰に籠を付けて、茶摘み開始。
まず教わったのは「こわい(固い)葉を摘まずに、みるい(柔らかい)葉だけを摘む」こと。最初はどの葉を摘んで良いのか分からないので怖々の作業でしたが、だんだん熱中してきて会話も無くなり、猿の毛繕いのように茶葉を摘んでいました。

「片手で摘んで、摘んだ葉を握りながら次の葉を摘む。出来るだけ籠に茶葉を入れる手数を減らすのが早く摘むこつ」だそうです。これがなかなか難しい。

機械で刈るとあっという間なのです

今年は、丁度新芽が出る時に霜が降りてしまい、一番茶の葉が枯れてしまったそうです。そのため、次の葉が出て来てはいるものの、まだまだ小さくて思うように収穫できていないとのこと。「本当はもっと摘む葉が大きくて分かりやすいんだけどね」と教えていただきました。

採れたのは全員で4kgほど。「これじゃあバイト代は払えないな」との言葉にがっくり。
これで40数kgぐらい
慣れた人だと一日15kg、名人は30kgも摘むそうです。


摘んだ茶葉はこのあと工場に運ばれ、蒸されて揉まれてお茶になります。
蒸すにも、「浅蒸し」「深蒸し」とあって、蒸す時間がお茶の味を決めるそうです。公社で作っている「山楽和茶」は「浅蒸し」。色は薄めで香り高い仕上になっています。工場見学は去年に続いて2回目。今年もお茶の良いにおいと、「これから忙しくなるぞ〜」という雰囲気に満ちていました。

去年の工場見学の様子はyuukiさんがこちらに書いてくれています。http://houboku.blogspot.jp/2012/05/tenryu-mura-tea-gardens.html
放牧舎が名前も含めて
ラベルデザインに関わった「山楽和茶」

今年の「山楽和茶」は放牧舎員が摘んだ茶葉も混ざっているはず。
お世話になった皆様に感謝。

ひぐち