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2004年10月2日土曜日

イタリア紀行 その3「教会の宿、ACISJF、… 」

10/2(土)
教会の宿、ACISJF←正式名称が難しくて憶えられない宿。

今日は宿替え。ホテルアクロポリから同市内の教会の宿ACISJFへ。
ここは風呂・トイレ共同ですが、1泊19ユーロ(2600円くらい)でとっても経済的な上、シスターが経営する宿坊なので宿泊しているのは女性旅行者のみというとっても安心感のある宿です。
しかし、どこの国でも女性だけというのはたしなみを欠いてしまいがちなのでしょうか。も~、廊下を裸みたいな格好で歩くなよ!ここは教会ぞ!!と思わせられるような光景も…。

私たちの部屋の壁には小さな十字架がかけられていました。窓をあけると向かいの教会の十字架が大きく目の前に見えます。なんだか、あっちからもこっちからも神様に見つめられているようです。着替える時は「ちょっと失礼を」とつい断ってしまい、また、何か悪いことを考えても見すかされているのでは、と何ともそわそわしてしまうのです。
(宿坊と教会の中庭のテラスから宿を見上げて。) (部屋の窓から見えるお向かいの教会の十字架。)



(教会のファサードには、消えかけているけど
色彩のきれいなフレスコ画があることが
分かります。)
宿の隣が教会になっていて、朝6時にはそこからシスター達の賛美歌が聞こえてきます。その賛美歌を私はベッドの中で、ぼさぼさ頭の寝ぼけ顔のだらしなさのまま聞きました。シスターの背筋の伸びた静かな姿を思い出し、神様を身の内に感じ共に暮らすというのは、その人を美しくするのかな、と考えてみたりしました。

同宿していた一人旅の中国人の女の子は、大の「ベルサイユのバラ」ファンで、私達はベルバラ談義に盛り上がりました。
彼女はとても流暢な日本語を話しますが、日本に来たことはないそうです。日本語をマスターした理由は「ベルサイユのバラ」を日本語で読みたかったから。(愛って強いんだな)
彼女は中国で薬剤師として働いているそうです。でも日本の薬剤師とは違うみたい。中国では薬を発売する時はまず、その薬の成分や効能を書類にまとめ、政府に提出して発売許可を貰わないと店頭に出すことはできないんだそうです。で、彼女はその書類を作成する薬剤師。政府の許可が下りるような書類作りにいつも四苦八苦するそうです。イタリアで知った中国。
たくさん話が出来て嬉しかったな。言葉が通じて良かった。やはり言葉は大切です。

意外な穴場、 国立パスタ博物館
ガイドブックに載っていたパスタ博物館。きっと、美味しいパスタが食べられるに違いない!と思い込み、昼食を求めてここを探しました。しかーし!本当にただの博物館だったのでした…。あたりまえか。

が、思いのほか面白い展示内容でした。8世紀にも及ぶパスタの歴史とその重要性を産業、経済、芸術などあらゆる角度から検証して見せてくれます。
パスタは栄養バランスのすぐれた食品なんだそうです。もともと資源の乏しかったイタリアが必要に迫られて作ったのがパスタで、自国で採れる小麦を有効利用した栄養の豊富な食品です。パスタ博物館は、 自国のもので自国を救う食品を作り上げたという事実を世界に手本として示し、パスタを世界に普及させることで発展途上国の食料不足問題の解決に貢献することを目的とし建てられたのだそうです。

おいしいパスタを求めて何気なく入った博物館が、大きなスケールと誇りを持った博物館であったことに驚きました。
おもしろい日本語アナウンスがあるから安心です。


2004.10/1~14 絵と写真、文:吉田葉子